
この家に引っ越して、もう二ヶ月と半分以上経った。
最初の頃、隠れた布団から出られずに、ガタガタ震えていた猫だけれど
最近はベッドの上でゴロゴロするようになった。
お腹をポーンと出したまま、仰向けになって寝ていることもしばしば。
人間はと言えば、こちらも新しい生活に慣れたはずなのに
ここにいる自分とは別に、東京の街をいまだにフラフラ歩いている自分が
居るんじゃないかと、不思議な気持ちになったりする。
それは、どこか懐かしいような、ちょっと寂しいような風景として浮かんでくる。
それでも、今すぐ東京へ出掛けたくなるかと言えばそうでもなく
毎日のんびりと暮らしている。
本当に体がこの家、この土地に馴染むまでは
周りの風景と同じくらい、もっとゆっくりとした時間が必要かもしれない。
コメント